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2007年9月11日 (火)

脳動脈の解剖 1

脳梗塞は脳組織へ血流を供給する脳動脈の閉塞によって生じ、梗塞の進展範囲は動脈閉塞部位よりも末梢の支配域に生じます。したがって脳梗塞の局在を表すのに、解剖用語での表記のみならず、閉塞動脈の動脈支配による表記が求められます(例、基底核に→中大脳動脈外側線条体動脈領域に、内包後脚に→前脈絡動脈領域に)。さらに、機能解剖を考えた、局在表記も必要になります(例、皮質脊髄路にかかる)。逆に動脈支配域に一致しない病変の進展は梗塞以外の病変を鑑別疾患に考える必要があります。

閉塞動脈の診断はCTやMRで行われます。以前のように診断だけの目的で血管造影(DSA)を施行する機会は少なくなり末梢枝までひとつひとつの動脈の名前を覚える必要はありませんが、基本的な脳動脈の解剖を理解しておく必要があります。

頭蓋内の動脈を理解するには大動脈からの解剖を理解する必要があります。まずは左右の総頸動脈、椎骨動脈について復習します。

  1. 上行大動脈から大動脈弓の第1の分岐として右腕頭動脈brachiocephalic trunk((または無名動脈innominate trunk)が分岐する。右腕頭動脈から右総頸動脈common carotid arteryが分岐する。右総頸動脈分岐後は右鎖骨下動脈subclavian a.となり、直後に右椎骨動脈vertebral a.を分岐する。右鎖骨下動脈は右上腕動脈に連続する。
  2. 大動脈弓の第2の分岐として左総頸動脈を分岐する。
  3. 大動脈弓の第3の分岐として左鎖骨下動脈を分岐する。その直後で、左椎骨動脈を分岐する。

総頸動脈は頚椎C4-C2高位で内頸動脈internal carotid a.外頸動脈external carotid a.に分岐する。内頸動脈は主に頭蓋内、外頸動脈は主に頭蓋外と頭蓋内硬膜に供給する。

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