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2007年9月

2007年9月 6日 (木)

脳梗塞とMRI  はじめに

脳梗塞など脳血管障害(脳卒中)や、MRI(magnetic resonance imaging)について勉強する画像診断の専門家(を志す初学者も含めて)に、基礎的なことから最新の話題に関して、情報を発信します。

左側の「カテゴリー」別に閲覧してください。

脳梗塞や画像診断について、一般の方にも役に立つ内容も順次掲載します。左「カテゴリー」欄の「一般の方へ」をご覧ください。

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TIME LOST IS BRAIN LOST

”脳梗塞は発症から時間が経つほど脳の機能は失われる”

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What's New!

第32回MR基礎講座「拡散」の講義スライドupしました

7月30日‐31日(京都国際会館)

http://noukousoku.air-nifty.com/blog/2010/08/mr-c92f.html

東京MRI研究会 脳血管 MR診断に必要な脳動脈の解剖シラバス

2010年7月3日東京秋葉原で開催された研究会のシラバスです。左上「おススメサイト」からご覧ください。

   「脳血管、MR診断に必要な脳動脈解剖 シラバス」*7月8日をもって配信終了しました。

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2007年9月 7日 (金)

たかが脳梗塞!どうして脳梗塞の勉強が必要か?

「脳梗塞」は脳実質へ供給する動脈の閉塞により脳組織の壊死をきたす疾患で、頻度は少なくなく、多くの画像診断医が「脳梗塞」の診断名を日常から記載していると思われます。画像診断においてはCTで低吸収域、T2強調画像で高信号、T1強調画像で低信号を呈し、診断自体は比較的容易です。しかし病因から見た場合「脳梗塞」は単独の病態ではなく、適切な治療法の選択には、さらに踏み込んだ病因・病態までの診断が必要です。また画像診断が最も求められるのは急性期の診断で、発症直後から急性期においては画像所見も経時的に変化し、それも病態ごとに異なるので、画像診断の勉強とあわせて脳梗塞の病態をきちんと学ぶことが重要です。

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脳梗塞とは

脳梗塞は、脳へ供給する動脈に閉塞もしくは高度狭窄が生じ、脳循環(脳血流)が低下した結果、脳細胞(神経細胞やグリア)の機能低下とそれにつづく壊死をきたした状態です。まだ壊死に陥っていない機能低下の状態で血流の再開通が得られると、可逆的で、非可逆的な壊死に陥らないことがありますが、再開通が得られなければ壊死に陥り、機能を失います。可逆的な可能性があるのは少なくとも閉塞から3時間以内(多くはそれよりも短い)と考えられています。梗塞の症状は動脈の閉塞部位によって神経症状やその重篤さが異なります。

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脳卒中とは?

「脳卒中(のうそっちゅう)」とは、脳梗塞のみならず、脳出血(脳実質内出血)や、くも膜下出血などを含み、発症により急性の局所神経障害をきたす脳血管障害の総称です。したがって救急来院時や初診時に「脳卒中の疑い」という診断はあっても、最終的な臨床診断名や画像診断名に「脳卒中」を使うことはありません。ちなみに「中る」は「あたる」です。脳卒中の医学英語訳はstrokeです。

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脳卒中のタイプ

  1. 脳出血
  2. くも膜下出血
  3. 脳動静脈奇形に合併する頭蓋内出血
  4. 脳梗塞

NINDS (National Institute of Neurological  Disorders and Strokes)第III版の診断基準

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脳梗塞の分類

「classification_of_ninds_cvd_iii.ppt」をダウンロード

機序

  1. 血栓性 thrombotic
  2. 塞栓性 embolic
  3. 血行力学的 hemodynamic

臨床的カテゴリー

  1. アテローム血栓性脳梗塞 atherothrombotic infarction (ATI)
  2. 心原性脳塞栓症 cardioembolic
  3. ラクナ梗塞 lacunar
  4. その他

NINDS第III版の診断基準に基づく

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脳梗塞と脳虚血

脳血管障害は虚血性(または閉塞性)と出血性に大別されます。

  1. 虚血性 動脈狭窄や閉塞により血流の低下→脳組織障害
  2. 出血性 動脈の破綻により脳実質内やくも膜下腔に血流の動脈外漏出→頭蓋内血腫形成

出血性の脳血管障害としては脳実質内出血とくも膜下出血があります。

虚血性脳血管障害 ≒ 脳梗塞 で、両者の使い分けに明確な定義はありませんが、

  • 「脳梗塞」はすでに完成された非可逆的脳組織障害の意味で使われ、
  • 「脳虚血」はまだ非可逆的な組織壊死に陥らない段階の、軽度の血流低下状態(脳細胞は正常機能もしくは機能低下状態)や、発症直後で血流再開により可逆的な可能性があるような状態に用いられることが多いようです(たとえば「脳虚血超急性期」のように)

脳梗塞の医学英語訳はcerebral infarction もしくは brain infarctionですが、ischemic strokeも同義です(ischemia = 虚血、stroke = 脳卒中). 英語論文ではischemic strokeもよく使われるので、文献検索のときのkey wordsには"infarction" だけではなく、"ischemic stroke" も加える必要があります。

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脳梗塞の臨床分類

NINDS CVDIIIの分類に基づいて、さらに臨床病型と発症機序をくみあわせて

  1. 心原性塞栓症
  2. 動脈原性塞栓症
  3. アテローム血栓性梗塞
  4. 血行力学的、境界領域梗塞
  5. ラクナ梗塞
  6. 分枝粥腫型梗塞

などに分類される。

「Classification of_cerebral_infarct.ppt」をダウンロード

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2007年9月 8日 (土)

脳虚血超急性期の画像診断の意義

「超急性期」の定義はありませんが、ここでは発症24時間以内とします。

超急性期の脳虚血(脳梗塞)症例における画像診断の意義は

  1. 急性期出血(実質内出血、くも膜下出血)の否定(鑑別)
  2. すでに非可逆的な組織障害の検出
  3. 動脈閉塞部位の診断(もしくは推定)
  4. 灌流異常域、diffusion-perfusion mismatch領域の検出(もしくは推定)

にあります。さらに1-4について具体的な撮像法をあげると

  1. CTによる急性期出血の否定
  2. early CT sign もしくはMR拡散画像による細胞性浮腫の検出
  3. CTによるHyperdense sign, MRAのTOF欠損、T2強調画像のflow voidの消失、FLAIRのintraarterial signal、T2*強調画像もしくはSWIによるsusceptibility sign、
  4. 造影灌流画像(TTP, MTT, rCBV, rCBF)、もしくはSWIによるmisery perfusionの評価

を用います。

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2007年9月11日 (火)

超急性期脳虚血の画像診断:目的

画像診断は発症後、来院後すみやかに施行するようにする。治療開始の律速段階にならないように注意する

  1. 非可逆的な組織障害の検出early CT sign, 拡散画像
  2. 動脈閉塞部位の診断MRA, T2WI, FLAIR, T2*WI, (hyperdense sign)
  3. 灌流異常領域の検出CT造影灌流画像MR造影灌流画像
  4. 病型の診断:虚血の進展範囲、発症時間との関係、発症様式、背景因子などから

       青字はMR,赤字はCT、( )内は鋭敏度、特異度の低い所見

  • 1.2からdiffusion (or early sign)-perfusion mismatchの存在を推測
  • 1.3からdiffusion (or early sign)-perfusion mismatchを評価→ischemic penumbra

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脳動脈の解剖 1

脳梗塞は脳組織へ血流を供給する脳動脈の閉塞によって生じ、梗塞の進展範囲は動脈閉塞部位よりも末梢の支配域に生じます。したがって脳梗塞の局在を表すのに、解剖用語での表記のみならず、閉塞動脈の動脈支配による表記が求められます(例、基底核に→中大脳動脈外側線条体動脈領域に、内包後脚に→前脈絡動脈領域に)。さらに、機能解剖を考えた、局在表記も必要になります(例、皮質脊髄路にかかる)。逆に動脈支配域に一致しない病変の進展は梗塞以外の病変を鑑別疾患に考える必要があります。

閉塞動脈の診断はCTやMRで行われます。以前のように診断だけの目的で血管造影(DSA)を施行する機会は少なくなり末梢枝までひとつひとつの動脈の名前を覚える必要はありませんが、基本的な脳動脈の解剖を理解しておく必要があります。

頭蓋内の動脈を理解するには大動脈からの解剖を理解する必要があります。まずは左右の総頸動脈、椎骨動脈について復習します。

  1. 上行大動脈から大動脈弓の第1の分岐として右腕頭動脈brachiocephalic trunk((または無名動脈innominate trunk)が分岐する。右腕頭動脈から右総頸動脈common carotid arteryが分岐する。右総頸動脈分岐後は右鎖骨下動脈subclavian a.となり、直後に右椎骨動脈vertebral a.を分岐する。右鎖骨下動脈は右上腕動脈に連続する。
  2. 大動脈弓の第2の分岐として左総頸動脈を分岐する。
  3. 大動脈弓の第3の分岐として左鎖骨下動脈を分岐する。その直後で、左椎骨動脈を分岐する。

総頸動脈は頚椎C4-C2高位で内頸動脈internal carotid a.外頸動脈external carotid a.に分岐する。内頸動脈は主に頭蓋内、外頸動脈は主に頭蓋外と頭蓋内硬膜に供給する。

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脳動脈の解剖2:前方循環系と後方循環系

脳梗塞における脳動脈の解剖を勉強するときに1.前方循環系と2.後方循環系にわけて考えると病型や病変の進行、神経症状などを考えるときに便利です。

1.前方循環系 anterior circulation (内頸動脈系)

  • 内頸動脈:主要分枝→眼動脈、後交通動脈(→後大脳動脈)、前脈絡動脈
  • 中大脳動脈middle cerebral a. :主要な穿通枝として外側線条体動脈
  • 前大脳動脈anterior cerebral a.
  • (後大脳動脈、(内頸動脈から後交通動脈を介して供給する場合)

2.後方循環系 posterior circulation (椎骨脳底動脈系)

  • 椎骨動脈vertebral a.:→後下小脳動脈
  • 脳底動脈basilar a.:→前下小脳動脈、上小脳動脈
  • 後大脳動脈posterior cerebral a.

「classification_of_cerebral_arteries1.ppt」をダウンロード

「classification_of_cerebral_arteries_2.ppt」をダウンロード

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脳血管障害を疑ったら、まずは画像診断

  • 脳梗塞などの脳血管障害は急性に発症(症状が出現)します。「急性」といっても今まで健康であったひとが突然に片麻痺や意識障害をきたす場合や、数十分から数時間、ときに数日間かけて症状が増悪、完成することもあれば、軽度の一過性の症状をくりかえし次第に増悪し、症状が完成することもあります。
  • 初発症状は意識障害や片麻痺、失語(会話できない、理解できない)など、誰にでもわかる重篤な症状のこともあれば、痺れや脱力、喋り方がおかしいといった脳血管障害とは気づきにくい軽度の症状からはじまることもあります(脳血管障害を疑う症状については別の機会に紹介します)。
  • 救急外来で、現病歴や現症から脳血管障害が疑われるときは、神経内科医、脳神経外科医、救急医による神経学的な診察の後に、なるべく早期に放射線科で画像診断が行われます。救急ベースで施行される画像診断法としてはCTMRIがあります(CTはX線コンピュータ断層撮影装置、MRIは磁気共鳴コンピュータ断層撮影装置です。MRIはMRと称することもあります)。また施設によっては救急外来で頸動脈超音波検査を施行することもあります。

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脳血管障害? まずはCT!

  • 救急で脳血管障害が疑われたら、まずはCTが施行されます。CTでは急性期の出血(脳実質内出血やくも膜下出血、慢性硬膜下血腫など)がほぼ確実に診断できます。急性期の出血はCTでは高吸収域(「白く」映る)を呈します。脳梗塞の治療を進める上では急性期の出血を否定することはとても重要なことです。急性期脳梗塞はCTで低吸収域(「黒く」映る)を呈します。
  • CTは全国、ほとんどの救急病院で、24時間いつでも、緊急対応が可能で、検査が始まれば数分以内で終了する、非侵襲的な安全な検査です。結果(診断)もすぐにでます。CTではX線を使用するので、被曝を心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、1回や期間をおいた数回の経過観察のCT検査で人体に有害事象を生じるような被曝はありません*。
  • 急性期の梗塞はCTで低吸収域を呈します。しかし梗塞は血流供給停止により正常脳が経時的に徐々に機能停止→浮腫→壊死してゆくので、突然発症例でも発症早期ではまだCT画像の色の変化が軽微なことがあります。このわずかな色の変化(脳梗塞の早期CTサイン)をできるだけ早期に診断することが重要です。
  • この脳梗塞の早期CTサインを高い精度で検出するために、専門医のいる施設ではガイドラインにしたがって適切な撮像条件の設定や診断のための読影訓練をしています。したがって、脳血管障害や画像診断の専門医が常勤する施設の受診をお勧めします。
  • 一方、MRIで拡散画像という撮像法を用いれば、早期CTサインと同等もしくはそれ以上の精度で、脳虚血を診断することが可能です。次にMRについて説明します。

*とくに放射線科専門医が常勤し、CTの撮像法の決定や診断を行っている施設では、放射線の被曝について十分な管理がなされています。

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脳虚血超急性期のMRプロトコールの一例

荏原病院放射線科における脳虚血超急性期のMR撮像の目的とプロトコールを示します。

1.緊急MRの目的と方針

  • 脳虚血による組織障害の早期検出(拡散画像)
  • 主幹部、皮質枝の閉塞の有無、閉塞部位の同定、灌流異常域の推定(FLAIR, MRA, SWI,  T2*WIなど)
  • 灌流状態の精査(造影灌流画像、SWIなど)
  • できるだけ速やかに検査を遂行する。とくにtPA血栓溶解療法の適応が考えられるときは、CT,MRのうち、早期に対応できるほうから施行する。MR検査が治療開始の律側段階にならないようにする。

2.緊急MRプロトコール例 (1.5-T装置)

  • 拡散強調画像、ADC画像 (SE-EPI, b=1000):細胞性浮腫(非可逆的組織障害)の早期検出
  • FLAIR : 皮質枝の描出(intraarterial signal, IA sign) →灌流異常域の推定。くも膜下出血の検出
  • T2強調画像: 陳旧性梗塞の検出、超急性期血腫の検出、内頚動脈閉塞の診断
  • MRA: 主幹部閉塞、再開通の有無、Willis動脈輪形態と側副血行の可能性

さらにFLAIRでintraarterial signalが認められ、灌流異常の存在とdiffusion-perfusion mismatchが予測されるとき

  • 造影灌流画像: TTP, MTT, rCBV, rCBFを評価

このほか、時間猶予があるときにSWIを施行、また多施設研究のためにT2*WIを、脳腫瘍などとの鑑別を要するときはMR spectroscopyを、動脈解離を診断するときは造影MRA(元画像による評価)などを施行する。

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2007年9月12日 (水)

脳梗塞の救急とMRI

  • MR(磁気共鳴コンピュータ断層撮影)にはいろいろな撮像法がありますが、その中で拡散強調画像(diffusion-weighted imaging:DWI)は脳虚血超急性期の組織障害(細胞性浮腫)の早期検出に有用で、心原性塞栓による脳梗塞(心原性塞栓症)では発症30分から1時間程度で信号変化(画像上の色の変化)が出現しえます。発症から数時間しないと信号変化が出現しない、同じMRのT2強調画像と比較しても早期に異常を検出できますし、CTの「脳梗塞の早期CTサイン」と比較しても鋭敏で、明瞭に虚血病変を検出します。
  • ただし、MRは磁場環境(おおきな磁石)の中での検査なので、ペースメーカーを装着されている方は検査を受けられませんし、検査前に多くのチェック事項があります。操作者も細心の注意を払う必要があり、撮像には技術の修練が必要です。日本はMRの普及台数が多いのですが、それでもCTほど多くはなく、検査時間も要することから、ほとんどが予約検査です。したがって救急ベースで、24時間(とくに時間外、夜間)、緊急対応が可能な施設は限られています。
  • 脳虚血超急性期の診断におけるMR拡散強調画像の有用性は、臨床経験から認知されています。しかし、本当に治療成績や予後に寄与するかについては十分なエビデンス(臨床科学的な証明)が確立されていないのも事実です。安全かつ有効な緊急MR検査法確立のために、日本ではMR撮像と診断の標準化のガイドラインの作成や血栓溶解療法におけるMRの診断の有用性の多施設共同研究が現在進行中です。

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2007年9月13日 (木)

荏原病院放射線科における緊急MRI (連携医、一般の方へ)

TIME LOST IS BRAIN LOST

”脳梗塞は発症から時間が経つほど脳の機能は失われる”

荏原病院(東京都大田区)では、MRI検査が必要な救急症例には、24時間体制で緊急MRを施行しています(もちろん、CTも24時間救急対応です)。とくに脳血管障害のチーム医療体制(総合脳卒中センター;stroke unit SU)があり、放射線科もその画像診断部門を担っています。脳虚血超急性期症例はほとんどが緊急MRIの適応になります。残念ながら、放射線科専門医は少なく、時間外勤務はしていませんが、MRを操作できる診療放射線技師、頭部救急MRの診断ができる神経内科医、脳神経外科医が時間外も対応しています。

  • 脳卒中発生に対して荏原病院総合脳卒中センター専門医療スタッフが専用電話を携帯して救急隊や連携医療機関からの要請受け入れのため24時間体制で待機しています。  
  • 脳卒中専用電話:03-5734-7100(この電話は救急隊及び医療機関専用です。一般の方は03-5734-8000(代表)へ。)
  • 現在荏原病院放射線科には、MRI装置が2機(3.0テスラ装置1機、1.5テスラ装置1機、Siemens)あります。3.0テスラ装置には最新の32チャネルコイルを装備しています。いずれも全身撮像仕様です。

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荏原病院放射線科における画像診断を通じた医療連携 (連携医向け)

荏原病院では平成6年度の開院以来、地域医療連携に重点をおいて診療を行っています。放射線科でも直接、画像診断を通じた医療連携を実施しています。MRI、CT、核医学検査、単純撮影、マンモグラフィ、消化管造影など外来で可能な検査を実施しています(血管造影など入院を要する検査については、内科や外科などに紹介していただいてからになります)。医療連携を通じた画像診断の社会的意義は1.高額医療機器の有効利用、2.機器の台数に対して不足している放射線科専門医による検査法の管理と診断、にあり、連携医は高額医療機器に投資することなく、放射線科専門医による検査、診断を受けることができます。

画像診断連携の流れは1→5です。(青;連携医、赤;受診者、黒;荏原病院放射線科医)。電話予約方法などは一度、荏原病院のホームページhttp://www.ebara-hp.ota.tokyo.jp/をご参照ください。

放射線科受付電話番号は 03-5734-7062 です(月-金 0830-1715  土 0830-1200)。

  1. 連携医から荏原病院放射線科受付に電話予約(*下記注) 
  2. 検査当日に紹介状を持参し、検査受診 (検査内容は放射線科専門医の指示による)
  3. 検査終了後、放射線科専門医による診断→画像診断報告書作成
  4. 検査当日にフィルムもしくはデータと画像診断報告書を受け取る
  5. 逆紹介され、主治医である連携医が画像診断の結果をあわせて診断、病状の説明をする**。
  • 荏原病院へは、検査当日1回のみの来院、受診で済む
  • 原則、検査後即日にフィルム(データ)と報告書を持ち帰る(解析に時間を要するときは後日)
  • 全例、逆紹介され、主治医から説明を受ける(病状を一番わかっている、かかりつけ医から説明を受けることが出来る)
  • 診断の結果、緊急を要するときは、放射線科医から説明、専門科へ受診(脳卒中センターなどへ)
  • 緊急検査の要請についても出来るだけ対応しています。

一般の方へ

  • * 検査の申し込みと予約は患者さんご本人から直接はお受けできません。検査はあくまでも主治医の指示、依頼に基づくもので、かかりつけ医、主治医からの依頼、予約が必要です普段より、ご自身のかかりつけ医をもつことをお勧めします。連携医とは荏原病院と特別の契約がいるわけではなく、来院可能な医療圏の医師の方なら、標榜科をとわず、受け付けております。
  • ** 画像診断の結果説明は、原則、依頼した連携医(主治医、かかりつけ医)から、画像診断報告書にもとづいて、行っていただいています。病状の総合判定は画像診断の結果のみならず、他の検査結果、診察所見などを総合して判定する必要があるためです。

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磁化の振る舞い:励起と緩和

Spin Echo (SE) 法における磁化の振る舞いと励起、緩和について

90°励起パルス-180°収束パルスをによってMR信号を収集するSE法は、MRIの標準的な撮像法です。T1強調画像、プロトン密度強調画像、T2強調画像が得られる(プロトン密度強調画像とT2強調画像には高速SE法(fast spin echo; FSE)を用いますが、その基本はSE法です)。スピンの挙動と緩和過程を交えて順に説明します。

  1. MRの静磁場内ではスピンは静磁場の方向(z軸方向;Mz)に配列します。外磁場のない状態ではそれぞれのスピンは等方向的に分散していますが、静磁場下ではz軸方向に偏った分布となり、z軸周囲をwで回転しています。M0はすべてのスピンの総和を巨視的磁化として表したものです)。

  2. 同じ周波数をもった90°RFパルスを照射すると、スピンの横磁化成分を生成されます(励起, excitation)。90°RFパルス照射遮断直後から、縦磁化成分の指数関数的な回復と横磁化成分の減衰が生じます(緩和relaxation)。縦磁化成分の緩和が縦緩和もしくはT1緩和、横磁化成分の緩和が横緩和もしくはT2緩和です。この縦緩和と横緩和はそれぞれ組織特有の値です。緩和時間の差異が画像コントラストに反映されます。

  3. 90°パルス照射直後から時間t後の縦緩和成分Mzは、Mz(t) = M0(1-e-t/T1) となり、経時的に縦緩和の回復曲線としてあらわすことができます。

  4. 横緩和成分MxyはMxy(t) = M0 e-t/T2 となりこの横磁化の減少する過程は縦磁化の回復と同時に起きるが独立した現象です。横緩和の起序としては局所磁場(外部磁場)の不均一とスピン-スピン相互作用の二つがあります。

  5. 90°RFパルス照射遮断直後から、横磁化成分から自由減衰(free induction decay; FID)信号が生成される。FID信号はT2*減衰を示します(→GRE法)。この緩和過程においてスピンの分散する横緩和の位相を収束させてMR信号(エコー)を生成します。SEではTE/2後に180°収束パルス(refocusing pulse)を照射し、分散したスピンを反転させて位相を再収束させ、90 °パルスからTE後にSE信号をえます。

  6. SE信号は90°励起パルスと180°収束パルスの両方を印加されていないと発生しません。流速をもつ物質がTE後に撮像面内から流出していると信号が出現しません。これがflow voidで、撮像面に直交する内頸動脈内腔などに認められます。

「basis_of_mri.ppt」をダウンロード

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2007年9月14日 (金)

今日からMR拡散画像を勉強する方へ:拡散画像のエッセンス

拡散画像

  1. 拡散強調画像 DWI diffusion-weighted imaging
  2. みかけの拡散係数 ADC apparent diffusion coefficient
拡散が抑制された(低下した)病変
  • 拡散強調画像(DWI)で高信号 
  • みかけの拡散係数(ADC)は低下→ADC画像では低信号 
脳梗塞超急性期の細胞性浮腫
  • DWIで高信号
  • DWIは他のMR撮像法(T2強調画像やT1強調画像など)やCTよりも早期に超急性期脳虚血を検出
  • ただし灌流画像はDWIよりも早期に脳虚血を検出する 

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MRで測定される拡散とは

物理でいう拡散とは
  • 巨視的な拡散:濃度勾配が定常状態へ移る過程
    物質粒子は総体的に濃度の高い方から低い方へ
    単位時間あたりの物質の移動量は濃度勾配に比
  • Fickの法則:移動∝濃度勾配
    MRで測定される拡散とは
    • 微視的拡散 ≒ ブラウン運動
    • 周囲の熱的揺動による水分子の動き
    • 非常に短い時間に連続的、不規則で乱雑(self-diffusion random walk )
    • 微視的 10 – 100 mm 

    「diffusion_1.ppt」をダウンロード

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    MRによる拡散測定の原理

    • Spin echo型EPI
    • 180°位相収束パルスの前後に対称的なMPGパルスを等時感覚に印加
    • MPG:motion probing gradients
    1. 静止しているプロトン→位置移動がないので、MPGの大きさが同じで位相変化が打ち消される→信号は低下しない
    2. 拡散(位置移動)しているプロトン:位置移動→受けるMPGの大きさが異なる→位相が乱れる→信号低下
    • 拡散はT2やT1、プロトン密度とは独立したパラメータである。
    • 組織成分や組織構築といった微細な生体環境を反映する。

    「diffusion_2.ppt」をダウンロード

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    拡散:MPGによる位相変化

    MPGによる位相変化について考えます。

    ラーモア式をもう一度確認します。

    ω = γ・B0

    • γ:磁気回転比、B0:静磁場
    • プロトンは静磁場B0内部ではラーモア式に比例した角周波数ωで回転する。
    • また、位相変化はΦ= ωt になります。

    z軸方向にMPGパルスを印加すると

    ω = γ・(B0+Gz

    角周波数は時間(位置)で変化するので、位相変化は周波数変化の時間積分になります。

    「diffusion_4.ppt」をダウンロード

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    拡散画像:b値 b-value

    拡散強調のためのMPG (motion probing gradients) の強さ    

    • 単位 sec/mm2

    MPG印加→拡散プロトンの位相が分散

    • MPG印加時間が大きいと拡散プロトンの信号強度は低下

    大きなb値のMPG印加 → 灌流の影響が減少

    • 真の拡散を強調
    • b = 400-500 sec/mm2 以上で灌流の影響が無くなり、拡散強調画像が得られる。
    • 脳組織の拡散評価には b = 1000-1200 sec/mm2 程度を用いる。

    「diffusion_3.ppt」をダウンロード

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    2007年9月18日 (火)

    BLADE 1 

    動き(motion)を止める(freeze)、補正する(correct)方法には

    1. 呼吸停止下撮像
    2. 呼吸同期撮像
    3. 心拍同期撮像 (心電同期、脈波同期)
    4. ナビゲーター撮像 (横隔膜の呼吸運動など)

    があります。上記には実効時間内の撮像を行うために撮像時間の短縮技術も重要な要素となります。

    また加算回数の増加は、同じ位置にもどってくるような、比較的周期的な動きに対しては、動きの補正効果があります。

    BLADEはk空間の中心を軸に回転するようにデータを充填し、k空間中心を加重積算する手法で、撮像面内の動きを補正し、motion artifactを軽減させます。

    BLADEはSiemensが用いている名称で、現法はPROPELLER (Periodically Rotated Overlapping Parellel Lines with Enhanced Reconstruction)です。

    BLADEはマルチエコートレインを収集するTurbo SEに応用されます。ひとつのエコートレインで収集されるデータの束をBLADEと称します(撮像法と両方に用いている)。"BLADE"自体は何かの略称ではなく原法の"PROPELLER"にかけて、羽、刃、束の意味のBLADEをあてたものです。

    「blade_1.ppt」をダウンロード

    BLADEでは励起された断面内の動きの補正が可能です。スライスにまたがるような動きは補正できません。

    BLADEは他の動きの補正法、たとえば腹部ではナビゲータ法の併用も可能です。

    臨床的な有用性については、第35回日本磁気共鳴医学会大会後に公開します。

    文献

    1. Siemens Future vol.12 2007
    2. Pipe JG. PROPELLER MRI: clinical testing of a novel technique for quantification and compensation of head motion. J Magn Reson Imaging. 2001 Sep;14(3):215-22.
    3. Forbes KP. Brain imaging in the unsedated pediatric patient: comparison of periodically rotated overlapping parallel lines with enhanced reconstruction and single-shot fast spin-echo sequences. AJNR Am J Neuroradiogy 2003 May;24(5):794-8.

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    拡散強調画像(DWI)とみかけの拡散係数(ADC)画像 (

    拡散         拡散強調画像   ADC (画像) 
    大きい           低信号        高値 (高信号) 
    小さい(抑制)   高信号        低値 (低信号)

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    2007年9月19日 (水)

    ADC 1

    みかけの拡散係数 apparent diffusion coefficient

    (作成中)

    「adc_1.ppt」をダウンロード

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