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2008年8月31日 (日)

磁化率とは

真空中の磁束密度(B)と磁場(H)強度は以下で表すことができる。

              B = m0 H                   式(3

m0: 真空透磁率

CGS単位系ではm0 = 1なので真空中では磁束密度(B) = 磁場強度(H)である(m0は単位を揃えるための係数、MKS単位系では2p×10-7。以下の磁化率の説明ではMKS単位系で表記する)。静磁場の中に置かれた物質は磁化される。すべての物質が磁性体で、静磁場に晒された物質内部には2次的に磁場(Mが誘導され磁場強度に変化が生じる(図2)。

B = m m0 H                  式(4

ここでmは透磁率magnetic permeabilityで、物質の磁化される程度を表す。また静磁場中に置かれた物質の磁束密度は真空中の磁束密度と物質内に誘導された磁化Mの和となる。

              B = m0 H + M          式(5

磁化率とは静磁場に対する物質の磁化の割合で、磁化率k は内部磁化Mを外部磁場(静磁場)で除した値である.

k = M / m0H,                   式(6

B = m0 H + k m0H m0 (1+k) H        式(7)

すなわちMKS単位系では透磁率は1+磁化率(k)となるCGS単位系では1 + 4pc)。

静磁場の磁束密度とはわずかに反対方向に磁化される性質をもつ物質(負の磁化率)が反磁性物質dimagnetismである。反磁性では磁力線をわずかに分散させ負の磁化として働くがその影響は小さく、実際は非磁性である。ほとんどすべての生体物質が反磁性を示す。一方、外部磁場の方向に磁化される物質(正の磁化率)が常磁性物質paramagnetismである(常磁性の磁化Mの絶対値は反磁性物質の磁化の絶対値よりは大きい)。常磁性は磁力線を集束し正の内部磁化を誘導し、局所磁場を増強させる。生体内ではFe2+ (デオキシヘモグロビン)、Fe3+ (メトヘモグロビン、ヘモジデリン)、メラニンなどがある。Gd3+も常磁性物質で緩和時間の短縮をきたす。

磁化率により局所磁場に変化を生じると共鳴周波数に変化をきたし[ w = g (mH) ]位相差となって現れる[ wt = g (mH) t]位相変は局所磁場の変化とエコー時間に比例する。単一の物質内では位相情報は画像コントラストに反映されないが、voxel内に磁化率の異なる物質が存在すると反対方向を向いた位相は相互に打ち消すため信号が減衰する。同一voxel内に水と脂肪が存在しているときに生じるエコー時間によって2者の位相が揃ったときには信号が増強し(同位相, in-phase)、反対方向に向いたときに信号は低下する(out-of-phase)。

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