カテゴリー「医療連携(連携医)」の記事

2007年9月 7日 (金)

脳卒中とは?

「脳卒中(のうそっちゅう)」とは、脳梗塞のみならず、脳出血(脳実質内出血)や、くも膜下出血などを含み、発症により急性の局所神経障害をきたす脳血管障害の総称です。したがって救急来院時や初診時に「脳卒中の疑い」という診断はあっても、最終的な臨床診断名や画像診断名に「脳卒中」を使うことはありません。ちなみに「中る」は「あたる」です。脳卒中の医学英語訳はstrokeです。

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2007年9月11日 (火)

脳血管障害を疑ったら、まずは画像診断

  • 脳梗塞などの脳血管障害は急性に発症(症状が出現)します。「急性」といっても今まで健康であったひとが突然に片麻痺や意識障害をきたす場合や、数十分から数時間、ときに数日間かけて症状が増悪、完成することもあれば、軽度の一過性の症状をくりかえし次第に増悪し、症状が完成することもあります。
  • 初発症状は意識障害や片麻痺、失語(会話できない、理解できない)など、誰にでもわかる重篤な症状のこともあれば、痺れや脱力、喋り方がおかしいといった脳血管障害とは気づきにくい軽度の症状からはじまることもあります(脳血管障害を疑う症状については別の機会に紹介します)。
  • 救急外来で、現病歴や現症から脳血管障害が疑われるときは、神経内科医、脳神経外科医、救急医による神経学的な診察の後に、なるべく早期に放射線科で画像診断が行われます。救急ベースで施行される画像診断法としてはCTMRIがあります(CTはX線コンピュータ断層撮影装置、MRIは磁気共鳴コンピュータ断層撮影装置です。MRIはMRと称することもあります)。また施設によっては救急外来で頸動脈超音波検査を施行することもあります。

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脳血管障害? まずはCT!

  • 救急で脳血管障害が疑われたら、まずはCTが施行されます。CTでは急性期の出血(脳実質内出血やくも膜下出血、慢性硬膜下血腫など)がほぼ確実に診断できます。急性期の出血はCTでは高吸収域(「白く」映る)を呈します。脳梗塞の治療を進める上では急性期の出血を否定することはとても重要なことです。急性期脳梗塞はCTで低吸収域(「黒く」映る)を呈します。
  • CTは全国、ほとんどの救急病院で、24時間いつでも、緊急対応が可能で、検査が始まれば数分以内で終了する、非侵襲的な安全な検査です。結果(診断)もすぐにでます。CTではX線を使用するので、被曝を心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、1回や期間をおいた数回の経過観察のCT検査で人体に有害事象を生じるような被曝はありません*。
  • 急性期の梗塞はCTで低吸収域を呈します。しかし梗塞は血流供給停止により正常脳が経時的に徐々に機能停止→浮腫→壊死してゆくので、突然発症例でも発症早期ではまだCT画像の色の変化が軽微なことがあります。このわずかな色の変化(脳梗塞の早期CTサイン)をできるだけ早期に診断することが重要です。
  • この脳梗塞の早期CTサインを高い精度で検出するために、専門医のいる施設ではガイドラインにしたがって適切な撮像条件の設定や診断のための読影訓練をしています。したがって、脳血管障害や画像診断の専門医が常勤する施設の受診をお勧めします。
  • 一方、MRIで拡散画像という撮像法を用いれば、早期CTサインと同等もしくはそれ以上の精度で、脳虚血を診断することが可能です。次にMRについて説明します。

*とくに放射線科専門医が常勤し、CTの撮像法の決定や診断を行っている施設では、放射線の被曝について十分な管理がなされています。

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2007年9月12日 (水)

脳梗塞の救急とMRI

  • MR(磁気共鳴コンピュータ断層撮影)にはいろいろな撮像法がありますが、その中で拡散強調画像(diffusion-weighted imaging:DWI)は脳虚血超急性期の組織障害(細胞性浮腫)の早期検出に有用で、心原性塞栓による脳梗塞(心原性塞栓症)では発症30分から1時間程度で信号変化(画像上の色の変化)が出現しえます。発症から数時間しないと信号変化が出現しない、同じMRのT2強調画像と比較しても早期に異常を検出できますし、CTの「脳梗塞の早期CTサイン」と比較しても鋭敏で、明瞭に虚血病変を検出します。
  • ただし、MRは磁場環境(おおきな磁石)の中での検査なので、ペースメーカーを装着されている方は検査を受けられませんし、検査前に多くのチェック事項があります。操作者も細心の注意を払う必要があり、撮像には技術の修練が必要です。日本はMRの普及台数が多いのですが、それでもCTほど多くはなく、検査時間も要することから、ほとんどが予約検査です。したがって救急ベースで、24時間(とくに時間外、夜間)、緊急対応が可能な施設は限られています。
  • 脳虚血超急性期の診断におけるMR拡散強調画像の有用性は、臨床経験から認知されています。しかし、本当に治療成績や予後に寄与するかについては十分なエビデンス(臨床科学的な証明)が確立されていないのも事実です。安全かつ有効な緊急MR検査法確立のために、日本ではMR撮像と診断の標準化のガイドラインの作成や血栓溶解療法におけるMRの診断の有用性の多施設共同研究が現在進行中です。

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2007年9月13日 (木)

荏原病院放射線科における緊急MRI (連携医、一般の方へ)

TIME LOST IS BRAIN LOST

”脳梗塞は発症から時間が経つほど脳の機能は失われる”

荏原病院(東京都大田区)では、MRI検査が必要な救急症例には、24時間体制で緊急MRを施行しています(もちろん、CTも24時間救急対応です)。とくに脳血管障害のチーム医療体制(総合脳卒中センター;stroke unit SU)があり、放射線科もその画像診断部門を担っています。脳虚血超急性期症例はほとんどが緊急MRIの適応になります。残念ながら、放射線科専門医は少なく、時間外勤務はしていませんが、MRを操作できる診療放射線技師、頭部救急MRの診断ができる神経内科医、脳神経外科医が時間外も対応しています。

  • 脳卒中発生に対して荏原病院総合脳卒中センター専門医療スタッフが専用電話を携帯して救急隊や連携医療機関からの要請受け入れのため24時間体制で待機しています。  
  • 脳卒中専用電話:03-5734-7100(この電話は救急隊及び医療機関専用です。一般の方は03-5734-8000(代表)へ。)
  • 現在荏原病院放射線科には、MRI装置が2機(3.0テスラ装置1機、1.5テスラ装置1機、Siemens)あります。3.0テスラ装置には最新の32チャネルコイルを装備しています。いずれも全身撮像仕様です。

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荏原病院放射線科における画像診断を通じた医療連携 (連携医向け)

荏原病院では平成6年度の開院以来、地域医療連携に重点をおいて診療を行っています。放射線科でも直接、画像診断を通じた医療連携を実施しています。MRI、CT、核医学検査、単純撮影、マンモグラフィ、消化管造影など外来で可能な検査を実施しています(血管造影など入院を要する検査については、内科や外科などに紹介していただいてからになります)。医療連携を通じた画像診断の社会的意義は1.高額医療機器の有効利用、2.機器の台数に対して不足している放射線科専門医による検査法の管理と診断、にあり、連携医は高額医療機器に投資することなく、放射線科専門医による検査、診断を受けることができます。

画像診断連携の流れは1→5です。(青;連携医、赤;受診者、黒;荏原病院放射線科医)。電話予約方法などは一度、荏原病院のホームページhttp://www.ebara-hp.ota.tokyo.jp/をご参照ください。

放射線科受付電話番号は 03-5734-7062 です(月-金 0830-1715  土 0830-1200)。

  1. 連携医から荏原病院放射線科受付に電話予約(*下記注) 
  2. 検査当日に紹介状を持参し、検査受診 (検査内容は放射線科専門医の指示による)
  3. 検査終了後、放射線科専門医による診断→画像診断報告書作成
  4. 検査当日にフィルムもしくはデータと画像診断報告書を受け取る
  5. 逆紹介され、主治医である連携医が画像診断の結果をあわせて診断、病状の説明をする**。
  • 荏原病院へは、検査当日1回のみの来院、受診で済む
  • 原則、検査後即日にフィルム(データ)と報告書を持ち帰る(解析に時間を要するときは後日)
  • 全例、逆紹介され、主治医から説明を受ける(病状を一番わかっている、かかりつけ医から説明を受けることが出来る)
  • 診断の結果、緊急を要するときは、放射線科医から説明、専門科へ受診(脳卒中センターなどへ)
  • 緊急検査の要請についても出来るだけ対応しています。

一般の方へ

  • * 検査の申し込みと予約は患者さんご本人から直接はお受けできません。検査はあくまでも主治医の指示、依頼に基づくもので、かかりつけ医、主治医からの依頼、予約が必要です普段より、ご自身のかかりつけ医をもつことをお勧めします。連携医とは荏原病院と特別の契約がいるわけではなく、来院可能な医療圏の医師の方なら、標榜科をとわず、受け付けております。
  • ** 画像診断の結果説明は、原則、依頼した連携医(主治医、かかりつけ医)から、画像診断報告書にもとづいて、行っていただいています。病状の総合判定は画像診断の結果のみならず、他の検査結果、診察所見などを総合して判定する必要があるためです。

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